『出会い』
『出会い』
満100歳で逝った祖父は
98歳のときに『出会い』というタイトルの
詩集を出版した。
自分が中学生の時、
おじいさんに、聞かれたことがあった。
「友人とどんな風に遊ぶのか」
「本を読んで、それについて語り合うことはするか」
『え、
それ、何が面白いの?』 と、
祖父が亡くなるまでの自分は思っていた。
◯
大学時代、本棚いっぱいにあった本も、
引越しの度に減っていき、
リュックひとつで旅するようになってからは、
ほんのわずかしか持たなくなった。
その中の一冊が、祖父の『出会い』だった。
最近はFBやブログでたまにおじいさんのことを書くし、
友達と会っても、おじいさんの話がでたら、
その詩集を渡して、
丁寧に紡がれた詩から
何を感じたか、シェアをしていた。
◯
今回、出雲に東京の友達が4人来てくれた。
タイから帰った後に、会うことができて、
おじいさんの詩をシェアした友達だった。
本当に素敵な方々で、
母も言っていた。
「いや〜、みんな大人だね。
というか、私が子供だわ。笑
生きてるレベルが高い。
あんた、素敵な人に囲まれとるね。 」
けど、みんなも言ってくれてた。
「家族も近所の人もあったかい人ばっかりだね。」
「私、お母さんのファンです!友達になりたい!」
ウチの母、手紙好きなんで…
と言ったら、すぐ住所を送ってくれた。
「おじいさまがつないでくれた
『出会い』だね〜 」って。
本を読み、語り合うことの価値を
やっと少し、分かった気がした。
◯
雲が多いことで有名な出雲だけど、
この期間は、本当にいい天気で、
春の、初夏のひかりが降り注いでいた。
友達が東京に帰ってから
祖父の詩集の『ひかり』を読んだ
感想を送ってくれた。
「これって、単なる自然描写じゃなくて、
人との出会いを表してるようにも感じられるよね(^^) 」
あぁ、なるほど。
たしかに。
出会うことで、関わることで、
照らし合ってた。
みんな、ひかりなんだ。
あ、おれも、
ひかりなんだ ^ ^
自分のひかりは、
自分では見えないから、
照り返されてきた、ひかりを
感じれる自分でいたい。
それも、自分1人ではできん。
お陰さまだなぁと思う。
本当に、ありがたい。