どうとうとおどうと

「大晦日はお寺の手伝い」

というのが、

我が家の珍しい約束だった。

 

小学生の頃、いやいやだったが、兄2人と一緒に大晦日の午後、お寺に上がり、半分遊びながら、時に真面目に掃除や、松明行列の準備をして、夜はごちそうを頂き、紅白を見て、9時ごろになると外に出て、大晦日のそわそわした雰囲気を味わった。

 

そのお寺は、両親が30年前に結婚式を挙げたお寺で、檀家ではないが、自分が生まれる前からお世話になっている。

 

そのお寺はあちこちが傷んでいるが、見習い2年目の自分はまだとても直せない。

ただ、小さな仕事があって、親方と1週間ほど行った仕事終わりに、写真を撮ってもらった。

 

街と山が鐘楼が入るようにと。

結局、鐘楼は申し訳程度に、足元だけ画角に入った。

まだ鐘楼の足元にも及ばないけど、

住職に言われた。

「次撮るときは、『堂々とお堂と』」

 

。。。

「どうとうとおどうと」

 

笑っていいのか分からなかったけど、
ありがたい目標ができて、背筋が伸びました。